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採掘場跡の深奥。
ドーム状の枠から続く作業用クレーンのワイヤーに吊り下げられた拘束状態のシェスファが気を失った様子でぐったりとしている。
そしてクローン八代の姿が見えた。
だがそこにもう一つの影がある。
闇色のパニッシュジャケットに身を包んだウォーリックだ。
それを認めたルーサーは歓喜した。
「器自ら跳んできたか……ならば……」
ふわりと闇の羽を送るとともに自らの意識をウォーリックへと同化させDFとして取り込み始める。
「……もう前座は不要だ。」


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クローン八代を下がらせ、召還するつもりであった眷属を引き下がらせる。
意識を僅かに集中させるだけで、クローン八代の身体が糸の切れた人形の様に倒れた。
名無しを消去したためコントロールする信号が途切れたのだ。
「さぁ、今は名を呼んでやろうアークス……いやウォーリック。」
「一体!? クローンではない……のか?」
動揺を隠せないウォーリックへルーサーと化しつつある肉体が歩み寄る。

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「感謝しておこう。成熟した器を丁重に運んでくれた事をね。」
ルーサーの掌から舞う黒い羽に包まれるとともに、ウォーリックのパニッシュジャケットは白から闇に染められていった。
「はははっ! 愚かなるアークスよ! 僕の新たな器になれる事を感謝するといい! 僕はシオンの縁者となりDFでもある、全てを識るものとなるのだ!」
高笑いするルーサーの声に抵抗するようにウォーリックが声を振り絞った。
叫ぶ訳ではない。力を込めながら願う言葉だった。
「僕を…撃て! 今しかない……シオンがそうしたように! 完全なる支配の前にだ。」
「そんな!?」
「出来ないよ!」
動揺するマァナと赤雪が無意識に一歩後退した。
殺せというのか。困惑で一同が静止しする。
語ればルーサーに悟られる。必要以上に考える事もまたシンクロされれば思考を読まれる可能性もある。
「いや、やるよ。」
その中でたった一人だけ、ハルが一歩踏み出した。
「ハルさんには分かるよ。ウォーリックさんがあの目をしてる限り、信じる。」
ゆっくりロッドの後部を回し、テクニックのチャージをする。
シェスファがすがるようにハルを止めようとするが、ハルの張り詰めた空気に気圧され動けなくなった。
「……約束したはずだ。」
かすれたウォーリックの声は苦痛を耐えるだけでは無く、精神の支配に抗うそれだった。
「頼む……ハルさん……僕を撃ち、跳ばすんだ!」
その言葉の意味を理解したハルは的確にダーカーの因子の中心を狙い、イル・メギドを放った。
「決着を付ける!」
テクニックの衝撃を受けたウォーリックはそう叫ぶとこの場から消失した。
あたかも最初からこの場に居なかったように。
失われたという喪失感よりも、居なかった……その様な錯覚を感じる。
ウォーリックと言う人物は本当にここにいたのか。
その事すら疑わしく思える程だ。
「兄様ぁ!」
シェスファの悲痛な声がこだまし、全員を現実に引き戻した。
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長く続く回廊、そこに湧く事が絶えないダーカーをアークス達は駆逐していく。
「そぉれ! いっくよ〜!」
「はい!」
「覇ァ!」
赤雪のアザースピンで集中するエネミーを目掛け、さどじまのタリス・ブラウルフトが投擲され、イル・バータで凍り付く瞬間を狙いダグラスが薙ぎ払う。
同じチームならではの連携だった。
マァナは紅葉姫の優美な刀身を縦横に払いつつ、シェスファを庇うようソニックアロウなどで援護を放つ。
「この程度?」
キュクロネーダ、サイクロネーダなどの中型が壁として現れればサクリファイスバイトで力を奪い、細身の刀身を剛刀として振るう。
羅刹の乙女……悪鬼を踏みしめる女神の姿のように、凄惨でもあり神々しい。
シェスファもその経験不足を補う様に懸命な身のこなしで、宙を舞い、時に速射、連射を重ね周囲を援護する。
弱まる敵が居れば、ハルがイル・メギドの掌握で跡形も無くダーカーを消し去る。
無邪気に微笑みながら、無尽にテクニックを使う姿は、楽しげで余裕綽々だ。
追い込まれようが罠であろうが、生き抜く為に必要なのは気力であり、前に向かう意思だ。
ハルはそれをよく知っているからこその姿。
鼓舞するように陽気な声が高らかに響く。
くるくると回すロッドに余裕と高揚感が見える。
「もっともっといくじぇ!」
ウォーリックとブラウリヒトは互いに背を預ける形で、ハトウリンドウとオーバーエンドでの多数殲滅に力を注いだ。 記事を読む →

ついに大詰めの舞台までやって参りました。
主な役者はここでほぼ勢揃いとも言えるかな?
まだ最終決戦前のギミックも残ってますし、次回は頂いたSSも活かしつつガシガシとバトって貰えればと思っています。

予定ではあと4話。
マァナさん、赤雪さんから提供頂いたSSも交えつつの今回でしたが、18話用のSS加工に決行手間取りましたが、上手く見て頂ければいいな。

頑張ってロビー変わるまでに話は終わらせたいと思っております。
以前よりお伝えしてる、ある幸せなイベントを実施する為にも週二ペースで完結まで持って行けたらと思う次第。
皆様またご協力お願いします。 記事を読む →

自分のを付け回す気配に周紀は気付いていた
だが彼女は気に留めるでもなく、ゲートへ向かい、厳戒態勢の解かれたリリーパへの調査願いを提出する手続きを進める。
「……」
だがそれと同時に背後の気配へ無言で圧力をかけた。
清純な少女の外見を持つデューマンの彼女だが、気迫は歴戦の戦士のもの。殺気をたっぷりと込めたそれにぴくっと反応した追跡者は足を止め棒立ちになった。
チラリ、と周紀が背後を見るとトナカイの着ぐるみが立ち止まっている。
シュールな光景だが、アークス内ではどんなファッションもあり得る。
だが周紀にはこの人物が誰か一目瞭然だった。
「……こぬさん」
「え〜、バレちゃうの? そこは何者だ! とかそれっぽくぅ……」
悔しそうに駄々をこねるkonkonを相手にするでも無く、周紀がテキパキと準備を進めて行く。
周紀はそつなく何事もこなし、冗談にも乗る方なのだがどうやら彼女の関わる事態が深刻である事を示していた。
「自分、急いでるからこれで。」
「ああ!! 待って! アタシも連れてってよ〜! 」
「自分は早く先生の加勢に行くから構ってる暇はないの。」
「……あ〜。」
更に二人の背後からジト目気味に見つめる色白の女性キャストの姿があった。
晩白柚……異世界の果実の名を持ち、本来ならばシトラス・マキシマと呼ぶべき彼女だが、何ゆえか正式な名で呼ばれる事は無い。真名を呼ばれるのを避けるのか、無意識に皆がそうしているのかも分からない。
気まぐれに真っ青な肌や赤い肌、乙女も羨む様な真っ白な肌に気ままに変わる彼女だが、今は色白の呈だった。
「何か面白い事……起きてる? わっちはのけ者なん? 」
強めの眼力で二人を睨む姿が、時折彼女を悪魔と呼ぶのが誤りではないように見える。
「ウォーさんの件? 何かハルちん達が勝手に厳戒態勢中に向かったってヤツかい?」
退屈を嫌う彼女はシップ内を思いのままに行動している為、神出鬼没の一面もあり、既にkonkonから情報を得ていた様子だった。
「……」
口笛を吹き首を振るトナカイの姿はますます怪しい。
「戦力は多いに越した事は無い、か。二人とも一緒に行こう。」
ため息をついた周紀が乗船人数の変更を手続きしキャンプシップへ向かおうとした瞬間、ゲートに緊急警報鵜が流れた。
「緊急警報発令。侵食された旧マザーシップがリリーパ上空に出現。大規模なエネミー討伐作戦を準備中。」
三人は視線を交わし合いシップへ向かった。
これはウォーリック達の件に無縁ではない。恐らく当事者であろうと言う事を感じ、一刻も早い行動に出る事を決めたからだった。 記事を読む →
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