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採掘場跡の深奥。
ドーム状の枠から続く作業用クレーンのワイヤーに吊り下げられた拘束状態のシェスファが気を失った様子でぐったりとしている。
そしてクローン八代の姿が見えた。
だがそこにもう一つの影がある。
闇色のパニッシュジャケットに身を包んだウォーリックだ。
それを認めたルーサーは歓喜した。
「器自ら跳んできたか……ならば……」
ふわりと闇の羽を送るとともに自らの意識をウォーリックへと同化させDFとして取り込み始める。
「……もう前座は不要だ。」


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クローン八代を下がらせ、召還するつもりであった眷属を引き下がらせる。
意識を僅かに集中させるだけで、クローン八代の身体が糸の切れた人形の様に倒れた。
名無しを消去したためコントロールする信号が途切れたのだ。
「さぁ、今は名を呼んでやろうアークス……いやウォーリック。」
「一体!? クローンではない……のか?」
動揺を隠せないウォーリックへルーサーと化しつつある肉体が歩み寄る。

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一歩一歩の挙動こそウォーリックそのものだが吹き出す闇の気配、圧力。
対峙した記憶にある恐るべき敵の名が脳裏に浮かぶ。
「これで貴様を消去すれば、完全なシオンの縁者となり、もう一度、真の全知なる僕を織り成す事が出来る。」
丸腰のまま近寄るが空間よりコンゴウを生み出した。

2014-08-12-193635.jpeg

「ふん、玩具に等しい武器だが、貴様相手には充分か。」
傲慢を越えた余裕。
絶対的存在の自信を全身に漂わせ、足を止める。
「ルーサー!」
「さぁ、しばし戯れようか!」
ルーサーに僅かに遅れた為、ハトウリンドウを鞘で受けるのみにとどまる。

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続き、ハトウリンドウを打ち出したウォーリックだがその衝撃が届く前にルーサーが身を僅かにかわしあざ笑う。

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「どうした? 自らに劣る自分というのは悔しいだろう? 」
嘲笑に耳を貸さず、ウォーリックはサクリファイス・ダーカーへ武器を持ち替えた。
そして冷静になるべく意識を保つ。
何故、自分がDFになるのか、ルーサーに乗っ取られているのか。恐らくは現在のフォトンの不調によるものが大きいのだろう。
何らかの要素で、未来で自らがDFに身体を奪われた……という事になる。
だが何の為に過去に、このタイミングで現れるのか?
僅かな違和感。
完全に乗っ取られた状態であったならその時間の僕は既に僕ではない。
ならば、跳んだのは僕の意思。
コンゴウの切っ先をかわしながら、身体についた仲間……ハルのテクニックによるフォトンを感じ取った。
この自分に負けてはならない……その意思と信頼が伝わる。
ツインダガーのスピンで攻撃を回避しながらも思考をフル回転させた。
時折入るブラウリヒトの援護もウォーリックの肉体相手とあっては精度が鈍り、弾かれ、アサギリレンダンの連撃を受ける。
「グッ……」
「リヒティ、下がってくれ! 僕自身がやらなければならない……その意思が……見える!」
牽制するようにサクリファイス・ダーカーをダークスケルツォで投擲するが、軽くコンゴウでいなされる。既にそれは予測の範疇にあり、シンフォニックドライブがルーサー目掛け放たれた。
隙の少ない連続攻撃。DFを圧倒するにはそれしか無い。
まだ取り込みきれていない為か、ルーサーの完全防御フォールドは形成されていない様子だ。

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シンフォニックドライブの一撃目を、カウンターで返されるがウォーリックは手数を緩めない。
ダーカーへ最大有効な武器はこのツインダガー。
僅かでも大きなダメージを与えねば……そう隙を見つけては斬激を繰り返す。
刃と刃がぶつかり甲高い音を奏でた。
カタナの軌跡が細かに傷をウォーリックの身体に傷を刻む。対するダガーは弾かれるばかりだ。
だが、少しずつその傷の差が詰まって行く。

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ウォーリックの得意とする最小限の動作での攻撃にルーサーは舌打ちをした。
手数優先から回避と駒かな打撃を狙うためヴァイスコメートに武器を換装し、スウェーでウォーリックの連続攻撃をかわす事に専念する。
……これでは完全同調するに手間取る……

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早々に片付けねば面倒か。
そう考えバックステップからダガーの射程外に逃げる。
ウォーリック本人に疲労の影が見えたか、体勢を崩したのをルーサーは見逃さなかった。
「片付けの時間だ。」
そう言い放ちストレイトチャージを放った瞬間、ウォーリックはスピンし宙を翻った。
フェイクだ。
あえて攻撃を誘い出し、カウンターで攻撃を放つ為の巧妙な罠だった。

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更に動きが一瞬止まった隙を見逃さず更にスピンからのレイジングワルツで距離を一気に詰め寄り、ファセエットフォリアの眼にも止まらぬ斬激でルーサーを切り刻んだ。

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光のエネルギーと負滅牙の力が相乗し、一瞬ルーサーの意識が遠くなった。
その瞬間だ。
僅かに囁く声ウォーリックに届いた。
「僕よ、聞いてくれ……」
耐えに耐えたウォーリックの精神が再び黒いウォーリックに甦ったのか。
いや、甦ったのではなく、必ず自らがこの状況を作り上げると信じて潜み続けていたのだった。
二人のウォーリックそれぞれが講じた策へルーサーはまんまと嵌ったのだ。
「今こそ、このルーサーを倒してくれ。そして幾つかの頼みがある……」
声が少しずつ小さくなり、最後は聞き取れたか分からぬ程のものだった。
「おのれぇ! アークス風情が僕の裏をかくだと!?」
怒りに満ちた形相にはすでに余裕が無かった。
対照的に不適な笑みをウォーリックが浮かべた時、既にルーサーの眼前から姿が消えていた。

2014-08-19-122746.jpg

素早くサイドステップし、死角からオウルケストラーを仕掛けた姿が見えた時に既に勝負は決まっていた。連続の回し蹴りと斬激、真下へと突き立てられたダーカーを生け贄とする刃が新たなDFの転生を食い止め、この場からその姿を砂塵のように消失させた。
消え去る瞬間、ルーサー……ウォーリックは言った。
「良くやった……後は……頼む……」
弾末に語られた言葉を耳に捉えたウォーリックは勝利の余韻に浸る間もなく、背中越しにブラウリヒトに言った。
「リヒティ、急ごう。やらなければならない事が増えたようだ。」
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マァナ

ウォーさんまじカッコイイ!SS合成超上手いねー、すごく自然なカンジになってる!
さすが主人公///次で最終回かー、楽しみなような寂しいようなーw

2014年08月21日 22:22

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> マァナさん
終わり際くらいは主人公らしくしてみました。
実は合成には大したソフトを使わず、簡単な加工とアングルの工夫で頑張った感じ。
後一話じっくり仕上げるよ!

2014年08月21日 22:53

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赤雪

さらに連投!おつかれさま!!

Ep.2最終章の仮面VS主人公戦を思わせる展開!
PSO2のSF設定を改めて考察したくなってきた……もうちょっと自分なりに時間移動や歴史改変について噛み砕かないとなぁ……

戦闘描写やSSもウォリさん得意のFiとBrだけあって気合い入ってる感じが伝わってくる!
次回はいよいよ最終話!楽しみにいてます!!

2014年08月22日 10:17

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> 赤雪さん
ありがちなシチュエーションとはいえ、前から考えていたネタやら色々重なるなぁ……と頭を抱え、幾つかカットした内容がありました……
パラドックスが絡むとまた複雑化するんだけど、六芒の四の事象を世界の生死に関わる内容の基礎として書いてる感じかな。
あれもおかしいと言えばおかしいのだけど。

2014年08月22日 13:28

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