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自分のを付け回す気配に周紀は気付いていた
だが彼女は気に留めるでもなく、ゲートへ向かい、厳戒態勢の解かれたリリーパへの調査願いを提出する手続きを進める。
「……」
だがそれと同時に背後の気配へ無言で圧力をかけた。
清純な少女の外見を持つデューマンの彼女だが、気迫は歴戦の戦士のもの。殺気をたっぷりと込めたそれにぴくっと反応した追跡者は足を止め棒立ちになった。
チラリ、と周紀が背後を見るとトナカイの着ぐるみが立ち止まっている。
シュールな光景だが、アークス内ではどんなファッションもあり得る。
だが周紀にはこの人物が誰か一目瞭然だった。
「……こぬさん」
「え〜、バレちゃうの? そこは何者だ! とかそれっぽくぅ……」
悔しそうに駄々をこねるkonkonを相手にするでも無く、周紀がテキパキと準備を進めて行く。
周紀はそつなく何事もこなし、冗談にも乗る方なのだがどうやら彼女の関わる事態が深刻である事を示していた。
「自分、急いでるからこれで。」
「ああ!! 待って! アタシも連れてってよ〜! 」
「自分は早く先生の加勢に行くから構ってる暇はないの。」
「……あ〜。」
更に二人の背後からジト目気味に見つめる色白の女性キャストの姿があった。
晩白柚……異世界の果実の名を持ち、本来ならばシトラス・マキシマと呼ぶべき彼女だが、何ゆえか正式な名で呼ばれる事は無い。真名を呼ばれるのを避けるのか、無意識に皆がそうしているのかも分からない。
気まぐれに真っ青な肌や赤い肌、乙女も羨む様な真っ白な肌に気ままに変わる彼女だが、今は色白の呈だった。
「何か面白い事……起きてる? わっちはのけ者なん? 」
強めの眼力で二人を睨む姿が、時折彼女を悪魔と呼ぶのが誤りではないように見える。
「ウォーさんの件? 何かハルちん達が勝手に厳戒態勢中に向かったってヤツかい?」
退屈を嫌う彼女はシップ内を思いのままに行動している為、神出鬼没の一面もあり、既にkonkonから情報を得ていた様子だった。
「……」
口笛を吹き首を振るトナカイの姿はますます怪しい。
「戦力は多いに越した事は無い、か。二人とも一緒に行こう。」
ため息をついた周紀が乗船人数の変更を手続きしキャンプシップへ向かおうとした瞬間、ゲートに緊急警報鵜が流れた。
「緊急警報発令。侵食された旧マザーシップがリリーパ上空に出現。大規模なエネミー討伐作戦を準備中。」
三人は視線を交わし合いシップへ向かった。
これはウォーリック達の件に無縁ではない。恐らく当事者であろうと言う事を感じ、一刻も早い行動に出る事を決めたからだった。

ウォーリックをはじめとする一同は旧マザーシップに乗り込んでいた。
「言い様も無い悪意って感じがする。」
「ここまでくると突き抜け過ぎだじぇ。」
赤雪とハルの言葉は一同の総意でもあった。
二人は陣形の中央に位置している。
ダグラスはいつエネミーが出現しようが迎撃出来る自然な体勢をとった。
ブラウリヒトはセンサーを最大にし、いかなる事態にも対応出来るレーダー役を買って出る。
赤雪やハルは極力消耗を避けつつ、必要な時に対応できるようすべきと言うのが彼の判断だった。
マァナも前衛の一員として準備は万端と言った風だ。
彼女は既に取り戻すべきものを得た。後は友人の苦境をいかにして乗り越えるかだけだ。
さどじまは赤雪の盾になれるようポジションをとり、シェスファは少し怯えながら周囲を見ていた。
「シェス。」
ウォーリックの声は極めて穏やかだ。
今から戦場に向かうものの声とは思えない程優しかった。
「約束をしよう。」
幼い頃からいつも困った事があるたびに、優しく肩に触れて見つめながらしてくれる約束。
ウォーリックはシェスファへの約束を一度も破った事は無かった。
「どんな事があってもみんなでラグズへ帰ろう。必ずだ。」
「う、うん」
両肩に置かれた手は手袋を通してすら温もりが伝わる。
兄様のフォトンだ……そう感じつつ、今はやはり別の何かが混じっているのがシェスファにも分かった。兄様と無事にラグズに戻る。小さな決心だが彼女を動かす大きな理由。
しかも兄様との約束。
兄様だけが守るのではない。自分も約束を守るんだと誓い、もう一度頷いたシェスファの表情は変わっていた。
彼女も一人の戦士の顔に。
そして皆に遅れまいと駆け出していった。

2014-08-04-190338.jpg

一同が踏み出すと大量のダガンが一面にわき出す。
群れというレベルではない。
先陣を切って駆け出したのはマァナ。
「お先に、カッコつけさせてね!」
ダガンを切り裂きのそ先の新たなダーカー達目掛け勢い良く紅葉姫とともに走り抜けた。
身を以てシェスに何か示そうとしている。

IMG_9754.jpg

その意思は明らかであり、シェスも懸命にユウエイを振るった。
様々なダーカーの群れ。
赤雪とさどじまもワイヤーと氷テクニックを駆使し、効率よくエネミー達を葬って行く。

pso20140812_215457_308.jpg

屈強な盾となり、一同の攻撃を自由にさせる、ダグラスとブラウリヒト。
切り開かれて行く道を進み行く一行を、倒すたびにダーカーの軍団が押し寄せる。
「ん〜、レンジャー居ないのツライ!」
苦笑しながら赤雪が呟くのをさどじまが笑顔でかわす。
「今の、塾長には黙っときますね。」
「弱気じゃないぞぉ!」

赤雪はバイオレードルを振り回すとさどじまがイル・バータですかさず足止めからとどめを刺す。
「でしたでした!」
「まだまだぁ、おかわり!ってフランカ食堂の在庫満載になりそ!」
前衛に出たハルが素早くイル・メギドでさらう中、シェスも負けじとアサギリレンダンで散らばる敵を片付ける。
2014-08-04-193013.jpg

「ええ……ダーカーご飯ヤダ!」
ハルの冗談に乗れる程度にはシェスファも気力が満ち始めている。
バレットボウへ持ち替え、連射から掃討へと移る。
足手まといじゃない、それを示すんだとばかりの身のこなしだった。

2014-08-12-210907.jpg

戦局を見ながらウォーリックも最小限の動きを心がけて進む。
この状況をあの男は見ているのだろう。それを意識するが故に慎重な動きになっていた。
それは間違いなく、確信であり真実だった。

「おやおや、頑張るものだ。だがねあまりにも無意味だ。既に僕の始まりの序曲は奏でられ、愚者の終焉はもう目の前にある。さぁ、僕の聖なる祭壇へと駆けつけたまえ。良き絶望と共に。」
遠くよりこの様子を伺うものが浮かべた笑み。
それは勝利を確信したものの嘲りでもあるようだった。
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補足と追記【7】

偽りの道化師【15】

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通りすがりのトナカイ

ふぁあああああ!!?
と、とうとうあたしの出番が!?
やだ、涙が・・・・(ノД`)
めちゃくちゃ嬉しいです♥もっと雑な扱いでもいいんだからね?
この先の展開・・・・気になります!!
暑さに負けずに頑張ってぇ!!!

2014年08月13日 13:43

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> 遂に出ましたなぁw
よろkonで頂けたなら何よりです。
まぁここから先はクライマックスに向かいつつ、追加3名様の個性が出せたらと思っております。

2014年08月13日 14:10

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マァナ

更新お疲れ様でしたー!役者がそろってきたかんじだねb
頑張って撮ったSSにかっこいい描写を添えてもらって嬉しかった、ありがとねーw

2014年08月15日 02:56

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赤雪

執筆お疲れ様です!

ここでまさかの新キャラ続々登場!ここから今回のお話にどこまで食い込んでくるのか……
これは次シーズンへの布石となる一手!?

それはさておき、ついにマザーシップでの戦いが始まったね!
みんなのキャラクターを活かしつつも、カッコいい戦闘描写になってるのが凄い!

できればみんなで一緒にいざない撮影したかった……

2014年08月15日 10:00

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> マァナさん
こちらこそありがとう!
マァナさん、カッコイイの撮影してきたなと心底思った一枚でした。
こうして一枚一枚のSSから選ぶ中、徐々に自分でも満足いく枚数が増えると思います。
マァナさんの好きな海岸、ビーチウォーズなら色々また試す余裕もあるかも?

2014年08月15日 17:46

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> 赤雪さん
タイミング会えばいざない行きたいとこだよねぇ。
大量に頂いたSSをどこでどう使うか17話は悩み中。
良いやつも多量だったし。
18-19話が先に書いてる状況なんで、果たしてどうなるやら……
お三方はもともと出したかったので、タイミング的にはもうここしかないなとw
17話さえ上がれば恐らく19話まで連日更新も出来るか……な?

2014年08月15日 17:53

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