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対峙する数は4人。倍の数を相手にするにも関わらず二人の表情に弱気になる色は無い。
動揺が見えた隙をここぞとばかりに赤雪は身の軽さを活かし、クローンマァナへ確実に傷を負わせる。
同時に踏み込んでいたマァナが紅葉姫の刃を垂直にし鎬を横から同じクローンマァナへ放った。
その強打の衝撃に気を失った所へ赤雪が嵐魔を放ち、絡めとる。
「いっくよー!」

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獲物を放り出すようなモーションで投げ飛ばすと、駒の様に回転するクローンを軸にした竜巻が発生し、その渦へともう二人が吸い寄せられる。
その瞬間を見据えたエメラルドグリーンの瞳が刃に反射した光を映すと、刀身そのものが白く輝きだす。
光はそのまま刃となり、左右の薙ぎから真向の一断ちを与える。
オーバーエンドの軌道を確認するまでもなく、合いの手を入れるタイミングで赤雪が乱舞を見舞った。
一体は撃ち上がり、宙に飛んだマァナがツイスターフォールの無情な追撃を、地上に残された二体へ赤雪の放ったワイルドラウンドがしなり叩き付け、切り裂く。
マァナの着地とともに発生した衝撃波が三体のクローンに膝をつかせた。

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2014-07-06-153100.jpg

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空気を断つ様な紅葉姫での横一閃。
再び舞い散る紅葉の奥から、赤雪は放った自在槍の伸縮の勢いに乗り素早く飛び蹴りを決める。
着地した赤雪が顔を上げると、驚愕に染まったクローンがただ一人。
数の劣勢を、この二人は鮮やかな連携攻撃で瞬時に覆してしまった。

kick2.png

kick.png

反撃すら許さず……だ。
連携をする意思は元より、これをなし得る事が出来たのは、赤雪がマァナのフォトンの流れを読み、次の手を速やかに予測し立ち回ったからこそ。
そして、この結果は残るクローンマァナの精神に強い衝撃を与えていた。
これが本物の私……違う。自分こそ本物であるべき、いや、本物なのだ。
「マァナさん……」
赤雪はどちらに声をかけたか。二人の目線が赤雪に集まる。
一方は悲嘆にくれた瞳で、もう一方は目を伏せゆっくり首を横に振った。
「いいの。私は私自身で、ケリをつけなきゃ。」
頷く赤雪は一歩踏み出したマァナの姿を見守る。

mm2.png

「ねぇ、私。」
「何? 」
同じ顔、同じ声、細かな仕草。だがその声が持つ音は決定的に違う。
「私は何を守りたいのかな? 」
「決まってる! 私はあの人を! 」
激しく叫ぶクローンへ諭すように、そして自分へ言い聞かせるようにゆっくりと心の底から、マァナは言った。
「違うよ……私はあの人だけじゃない。友達も、大切なものみんなを守るの! 」
「……あなたは私じゃない! 偽物はあなたよ! 」
怒りの色に染まり、充血した目は泣きじゃくる子供のようにも見える。
飛び込みながら彼女の時が緩やかになる。
だが眼前の自分は既にガードし、かすり傷すら許さぬ構えだ。
優しくも悲しみをたたえた顔を捉え水平回転に移る一瞬の隙を、マァナは逃さなかった。
メシアタイムでの不意打ちは、マァナ自身には通用せず、返された紅葉姫の突きが力を吸い上げる。
ドクン、ドクン、ドクン。
フォトンが吸収され、刀身を青く輝く渦が包む。
それは鼓動と慟哭に重なった。
「悲しかったよね、辛かったよね……もう私は迷わないから……」
互いに涙を浮かべ、一人は唇を噛み締め、一人は慈愛の表情をたたえる。
抜き放った刃が幾つもの軌跡を生み、心にあった影を断ってゆく。
一つは恐怖を、一つは迷いを、一つは嘆きを、一つは諦めを。
そして……最後の一太刀が薙ぎ払った後、舞う一葉の紅葉。
それは崩れ落ちるクローンマァナに重なり、消えた。
赤雪を振り返るマァナは少し困ったような笑顔で口を開く。
「欲張りになっちゃった。」
「あたしのせいかな? 」
赤雪は口をすぼめてマァナを見つめ返した。少し冗談めいた表情を見て浮かぶ笑顔。
そして二人の笑顔が重なる。
「ううん、もともとそうだったんだよ。失う事を怖がって小さく縮こまった心が、あの私。」
棒立ちになったマァナへ赤雪がそっとハグをした。マァナは少しだけ驚き、細く小さな身体から伝わる暖かさを心の中へ通して行く。
「もう大丈夫だよ。赤雪さんがくれた気持ちが、本当の私を取り戻させてくれたから。」
そっと赤雪の肩に手を当て囁く。
「ありがとう……あなたに会えて本当に良かった。」
「まだ、その言葉は早いよ! マァナさんが自分自身に勝てた! 後はその笑顔を見せに八代さんの所に行かなきゃ! 」
ぴょん!と跳ねる様に離れて赤雪が言う。
気恥ずかしさもあっただろうが、その言葉には間違いはなく。
早急にダグラス、さどじまの両名と合流し、深奥まで調査の足を速めなければならない。
二人はここで得た想いと確信を失う事は無い……そう強く感じ戦場を後にした。
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偽りの道化師【12】

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赤雪

執筆おつかれさまです!

ついにクローンマァナさんとの戦いが決着!
なんとなく百合時空な雰囲気だけどマァナさんには八代さんいるからダメか!!

画像合成も自然な感じでイイ感じ!

続々と採掘基地に集う役者達!そろそろ終盤戦かな?
次回も楽しみ!!

2014年07月07日 00:10

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> 赤雪さん
百合属性が、書いてる本人に無いから更に心配無用ですねw

あとはやりたい事を詰め込み過ぎず行けば何とかなるはず!
頑張りますw

2014年07月07日 03:08

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ハル

迫力あるSSいっぱいで良いですね♪
きっと載らなかった分を入れるともっと沢山のSSが有るんだろうなぁ…。
ディズニー映画のエンドロールの時みたいに、NGシーンの話しが読みたくなってきたw

2014年07月07日 09:50

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> ハルさん
まぁ、本当に何枚も付き合ってくれる皆様に感謝。
コンマ単位の違いで表情やアクションが変わるから、NG大量で…最近は赤雪さんとのコラボが増えたから、画質の差をどう埋めるかも課題ですね。

2014年07月07日 11:19

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マァナ

更新おつかれさまです!
SS撮ってる時にしていた予想をいい意味で裏切ってくれてオドロキ&感動!
小説の描写も、SSの合成もすごくいいカンジだったー!
赤雪さんの百合の話にふいたのは秘密です(笑)

2014年07月07日 13:52

comment avater

ウォーリック

Re: タイトルなし

> マァナさん
撮影参加してくれてる二人に、やはり楽しんで貰いたいのもあるんで、出来るだけ情報は最小限で撮影に臨んでる感じです。
またの出番はよろしくお願いします〜。

2014年07月07日 17:41

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