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夜が明ける迄の時間、ブラウリヒトからシップ破壊の経緯が語られた。
アークスシップからフォトン粒子砲の直撃を受け、全破壊直前にテレポートプールに飛び込んだため、任務開始位置の座標に転送されたのだと言う事。
緊急退避となったため、アトマイザーや各種メイトなどの回復・補助物資は殆ど無いに等しく、先ほどウォーリックに使ったムーンアトマイザーは手持ち最後のものであった事などだ。
物資については何も得られない、回復の為に時間をとったにも関わらずウォーリック自身の不調は依然変わらずだ。
「ここが目的地だと言ったな、なぜ採掘場跡なんだ。」
「僕とシェスを襲った侵蝕核持ちは全て有翼型だ。加えてその後に出て来た侵蝕核持ち機甲種は僕らを見ても攻撃をしかけなかった。」
傷を受けた左腕の少しでも感覚を取り戻そうと掌を握りしめ、開く。
その動作を繰り返しながらウォーリックは続けた。
「命令を待っている……その様子だった。それだけじゃない。八代さんと、もう一人の八代さん……」
戦闘中に焼き付いた記憶を何度も反芻し、あり得ない筈の内容を口にした。
「あれはクローン体、かつ侵蝕されたようにしか見えなかった……アークスのクローン生成、そして侵蝕させるなど。」
荒唐無稽だが、確信を持って言える事は一つ。
「ダーカーの持つ力が無ければ到底不可能だ。有翼型侵蝕核の傾向であればここに何かある筈。」
「……」
無言の中でも関与するものが何であるか、ブラウリヒトも想像をしていた。
「フォトンで守られるアークスは侵蝕されない。だが、僕は今フォトンのコントロールが十分とは言えない……」
まだ確信では無い。
ウォーリックもここで一度言葉を断ち、ブラウリヒトに背を向けた。
「行こう、リヒティ。」
一瞬、ウォーリックの頭髪が逆立ったかのようにブラウリヒトは錯覚した。
「見せてやろう。何度折られようが、僕たちの牙は絶てないと。」


採掘場跡地とは言え、大半は砂漠に囲まれており足下が安定しているはずもない。
軽快さを欠きつつもウォーリックは足を進めた。
歩みよるでもなく距離を保つブラウリヒトは周囲を警戒し常時センサーを働かせる。
人為的な罠ははられていないようだ。
「エネミー反応あり……カストキンディッド、ディンゲール。機体数は……計10機といったところか。」
ブラウリヒトが送った視線にウォーリックはヴァイスコメートを換装し応える。
完治しなくとも腕を使える、だが俊敏な動きに欠ける。
ナックルでの迎撃行動に出る事を理解したブラウリヒトは、自分の相対するエネミーを判断した。
ディンゲール……射撃を主体とし、頑強なエネミーであるそれらを相手にする事で、ウォーリックに装甲が厚いとは言え、耐久性でディンゲールに劣るカストキンディッド側を迎撃させる。
視認出来る距離まで相手の姿を捉えた。
「侵蝕は……無し……先行するぞ!」
判断を下したままホバーで相手の懐まで迫る迎え撃つ射撃を意にも介さず、構えたソードを振りかぶった。

2014-05-19-182631.jpg

鈍い音を響かせ、ディンゲールの足が止まる。
自らが殲滅する相手を認識し再び射撃姿勢に入った。

2014-05-19-182701.jpg

膝をつくその姿勢を見逃さず二撃、三撃とブラウリヒトの打撃が見舞われ、大きな横薙ぎが二発、そして三段めを真っ向に振り下ろす。
オーバーエンド、ソードPAの中でも最大級の破壊力を持つ技を叩き込み、三体を纏めて叩き潰す。
鋼の戦士はそのまま剣を振りかざし敵陣へ踏み入った。
一方、ウォーリックはフォトンのコントロールに乱れはあれど、左腕が動く事を確認していた。
左右に移動しながら行われる射撃をスウェーで交わし詰め寄る様子を待つ。
射撃が当たらない事を判断したエネミーは装甲と一体化したクローを展開し距離を詰めた。
すかさずウォーリックが身体を捻りながら踏み込んでの裏券を三連続で見舞う。
サプライズナックル……包囲網をすりぬけながら細かな打撃でエネミーを打ち上げ自由を奪った。

2014-04-26-095604.jpg

背後に落下する気配を感じとり、腰を落とし少しでも残っているフォトンを拳に集中させ、天へ拳を放つ。

2014-04-26-094811.jpg

具象化された拳の雨がカストキンディッドの装甲を叩き、ぐしゃりと変形させた。
この時点で優劣は決し、残るのは残骸だけだ。
「侵蝕されないタイプも依然残っている、か。」
「今のは機甲種の監視網にかかっただけだ。それでも構わない……相手も十分待ち構えてくれるだろう。」
ふう、と息をつきながらウォーリックが言う。
「むしろその方が都合いい。選択肢は少ないがやるべき事は単純だ。」
無策で挑む訳ではない。ただ、自分の状態から選択出来る方法は少ないのだ。
ならば容易に想像出来る敵の出方を導き出す。
死にに行くのではなく、活路を見出す為。
己も生きて、なおかつシェスを取り返す。
あの無邪気な従妹を涙で濡らせない為に。


「残念だねぇ、マァナ君。君の行動に期待していたが、失敗して帰って来るとは。」
粘着質な物言いはマァナの中にある不快感を増幅させる。
「まぁ、いい。君はこの作戦において何でもすると誓っていたねぇ……」
痩せこけた研究者風の男は眼鏡を少し動かし、上目遣いにマァナを見た。
「君の生体サンプルを採らせて貰うよ。なぁに大した事は無い、痛みだって無いよ。ただ……まぁいいか。」
話を聞いていない素振りを横目にコンプレッサー型の器具を取り出すと、マァナの静脈辺りに当てる。軽い音を立てて皮膚にスタンプが押された程度の接触があり、ぬめりとした嫌な吸着感が皮膚の奥まで届いた。
「ふむ、これで完了だ。また連絡が来るまでは自由にしておきたまえ。まぁ、シップ内は自由に動けないだろうがね、君の失敗のせいで。では、ごきげんよう。」
低次元な皮肉だが事実だ。
下手にアークスシップの中を動けば、赤雪の件でなしごれんのメンバーに発見されてしまう。
今の彼女はすがるものもなく、ただ押しつぶされそうな想いに苦しめられていた。
苦しみも悲しみも、今は一人のもの。
大切なひとの姿を思い浮かべ、次に浮かんだのは不思議にも、命のやり取りをした少女の顔だった。
撤退する自分へ彼女は何を言ったのだろう。
何か叫んでいた様に感じたが一体何を……。
自分が声にならない泣き声を出しそうになった事に気付き、背を伸ばした。
「自由にしていい、か。」
気持ちが反転したかのようにくすりと笑った。
ならば選ぼうではないか。自らの未来を。
大切なひとを救う為に。
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脳内緊急第三弾!とちょっと堅苦しい話

脳内緊急第二弾!

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マァナ

おおおおー!今PSO2できない状態だし、SS撮れないから
更新厳しいだろうなーと思ってたら更新されてるうう!
ストックから選び出したのかなぁって思ったけど、
普段どれだけの数SS撮ってるんだろうと思ったw
私の撮影枚数の比じゃないんだろうなぁーw

最後私がでてきたけど、嫌な予感と良さそうな予感が(ぇ
今後の展開もすごく気になります、
なるべく早く繋げるようになるといいねー

2014年06月23日 07:42

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> マァナさん
リリーパはまだ何枚かストックされてるけど、さすがに内容に無理が出つつありますなw
どうにか辻褄合わせつつ進められたらとは思います。
マァナさんは果たしてまたどう動くのか……最近は意図しない動きをし始めたんで、僕も油断出来ませんw

2014年06月23日 08:42

comment avater

赤雪

執筆おつかれさまです!

限られたSSストックの中から的確にシチュエーションを描き出していく姿勢が、作中のウォリさんの追い詰められつつも最善の策を選び取って前へ進む姿と被って見える!!

自分も負けずに頑張ろうって気持ちがわいてくるね!!

物語の方も、ついに黒幕っぽいあの人が!!マァナさんもクローン生成されちゃうしどうなっちゃうの!?

2014年06月23日 10:37

comment avater

ウォーリック

Re: タイトルなし

>赤雪さん
もうね、文章の低下を感じつつもまずは彼らを移動させないと行けないと言う義務感がw

そして赤雪さんの先読みについてはまだ色々ふせて起きましょう。
にゃはは。

2014年06月23日 12:20

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