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「!?」
咄嗟にガードした赤雪のタイミングは間に合わず、左側のグロリアスウィングを弾き飛ばされ、被弾を避ける事が出来なかった。

pso20140616_030133_537.png

身体の中心軸こそ射抜かれなかったが、左腕はピクリとも動かず使い物になりそうも無い。
次の攻撃が来ればまずガードは不可能。
全く動かない左腕では武器の換装すらままならない。
少しでも生き延びる為に赤雪は小刻みにステップし、狩人から逃避する鹿の軽やかさで後ずさる。
ゼロレンジは確実に避けられない。
ならば距離を取って弾丸に集中する。
少なくともマァナのここまでの癖は、あくまでも教則に沿った優等生のガンナーといったものだ。
ならばあえて狙われる事で、弾着のポイントを自分が選ぶ……
標準的なアークスを凌ぐ高いフォトンの感応性と、小柄で俊敏な赤雪だからこそ出来る唯一の選択。
連射される弾丸を紙一重で交わしながら少しでもマァナに隙が生まれるのを見逃さないよう、注意を払う。
弾丸切れをを起こさないエネルギー型のマシンガン相手にそれを維持し続けるだけでも赤雪の神経は磨り減ってゆく。
重なる疲労、乱れる意識、そしてその赤雪の動きへマァナが徐々に慣れ始める。
かたや鈍るスピードに対し、無駄を減らす最小限の動きを取る事でマァナは赤雪の命を削ってゆく。
その証拠に今やマァナの身体は無傷。
ガルド・ミラが着実にダメージを与えている事を示している。
そしてその攻防を終える時が来た。
赤雪の足が止まったのだ。
蓄積した疲労……そして感覚を失ったはずの左腕が激痛という最悪の感覚を取り戻してしまった。
一瞬止まった呼吸が、その細く引き締まった足の動きまでも止める。
「さようなら、赤雪さん。本当にあなたとは仲良くなりたかったよ…… 」
深い悲しみにエメラルドグリーンの瞳が沈み、思いを振り払うよう見開かれるとともに光が放たれた




覚悟を決めた赤雪の耳へ甲高い音と共に、低く深い男の声音が届く。
「……世話のやける。」
広く厚い背中がそこにあった。
赤雪の目に映るのは、なしごれんのNO.2であるダグラスが愛刀を携え不動の山の如く佇む姿だった。

pso20140616_031527_580.png

この危機的状況に遇したダグラスは、赤雪が瞳を閉じた刹那、ギルティブレイク初段前のダッシュ力を応用し野獣の如き勢いで間に割って入り、そこからガードに転じたのだ。

「塾長!」
安堵と信頼の込められた声を背に、ゆっくりとソードをガードから構え直す。
「これ以上の狼藉は許さん。退かぬと言うなら俺が相手をしよう。」
ダグラスが手にする剣……エルダーペインを見てマァナは戦慄した。
自らの愛銃と同じくして命を吸い取る魔剣。
巨大な剣にひけを取らぬ逞しく屈強な身体から鬼神の威圧感が放たれる。
この男の相手までするのは危険だ。
マァナの本能もそう告げる。
「そうね……」
ここで退かなければ犬死だ。
今回の失敗でどのような屈辱を受けようが八代を取り戻す事が出来るならば、幾らでも受け入れる覚悟はある。
たとえ死ぬ覚悟もあるが無駄な死だけは避けなければならない。
「今回は私に運が無かったみたい。めげずに行きましょう……今度はね。」
「待って! マァナさん、力を貸させて! もっと聞かせて! きっとマァナさんの力になれるから!」
テレパイプを投げそれに身を投じるマァナの背へ赤雪が声を飛ばすが、届く事は無かった。
命のやり取りをした相手だが、マァナから感じる感情や時に見せる悲しげな瞳は決して憎しみを赤雪に持たせるものでは無かった。
「ありがとう、塾長。でもどうして?」
「何、konの字がチョロチョロと動いてたものだからな、取っ捕まえて聞いた次第だ。俺も何か出来んかと話をしに来てみたらこれだ。」
ニヤリ、と笑いながらもすぐに真剣な眼差しに変わる。
「リーダーよ、事は想像以上か。」
「うん、マァナさん、さっきのひと……があたしたちに言った話が嘘じゃない……と信じた上で……それだけでここまで色々な事が動く筈がない……虚空機関の残党だけじゃない何かが……」
赤雪はそこまで言った時、意識を失った。
ダグラスが太い腕で支え赤雪を抱え上げる。
極度の緊張と疲労を強いられる戦いを続けたのだ、無理も無い。
この小さな身体の癖に、抱え込む事が多過ぎるとダグラスは時に思う。
気楽にしているようで、いつも一生懸命なのだ。
それ故に自分達はこの娘に力を貸したくなる。
「俺達が必要なら、幾らでもだ。」
赤雪に聞こえないが彼の呟く言葉はチームメンバーの総意でもあった。
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追記と補足【3】

偽りの道化師【6】

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konの字と思われるバッチコーイの人

(´・ω・`)おほーっ
いつも楽しく読まさせてもらってます♪久しぶりに出番があったみたいデスネ!
この扱い・・・・たまらなくゾクゾクします///
ちゃんとGJ見ててくれたんですね!嬉しい限りです!
この物語に少しでも(いろんな意味で)スパイス的になれれば本望ですよー!


きっとウォーさんならやってくれるはず(確信)
これからも楽しみにブログ見に来ますね(`・∀・)ノイェ-イ!

2014年06月18日 18:49

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> konの字さん

防衛戦GJでログ流れちゃうギリギリで確認しましたw
上手くなしごれん側のコメディリーフになればなぁと思いながら……またどんな登場をするかお楽しみあれ。

2014年06月18日 19:28

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赤雪

うわっ!?もう7話きてる!!
執筆おつかれさまです!!

細かい戦闘描写にも、設定がしっかり組み込まれてるトコとか凄い!

塾長かっこいいぃ……そして劇中の赤雪さん愛されすぎw
こんな風に愛されるチームマスターになれるよう頑張らないと!!

2014年06月18日 20:07

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> 赤雪さん
メンテ空き時間を利用し2時間程で上がったのは赤雪さんから頂いたカッコいいSSのおかげ!

背中で語る塾長カッコいい……と思い、出来るだけ「漢」らしさを強調してみました。
というか、あの鍛えまくったエルダーペインを一度でもみたらそりゃねぇ……とも。

なしごれんの人数で仲良く出来てるのは良い所と外から見て思ってるので、赤雪さんらしく引っ張っていって下さいね!

2014年06月18日 20:15

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赤雪

今日のブログ記事にショートストーリー引用させてもらいました。
まずいようだったら修正しますー!

2014年06月18日 21:38

comment avater

ウォーリック

Re: タイトルなし

> 赤雪さん
確認しました〜
現状問題無しと判断しております。
いつも紹介ありがと!

2014年06月18日 22:10

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ダグラス(塾長)

密かに毎回楽しく読ませて頂いてましたが、まさかこんな格好よく登場させて貰えるとは…w

こういうのは初めてなのでやや小っ恥ずかしくはありますが、それ以上に嬉しく思います^^

2014年06月19日 00:40

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ウォーリック

Re: タイトルなし

> ダグラス(塾長)さん
こちらこそ、読んで頂けていたとはありがとうございます!
以前のハンターオンリー防衛戦などでも豪腕を振るうイメージもあり、漢!と感じる出し所かなぁと出て頂いた次第です。
盾となる姿のイメージも赤雪さんが見事なSSを下さったので書きたいシチュエーションにハマり何よりでした!

2014年06月19日 01:04

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マァナ

SSも本文もすごい迫力で引き込まれちゃった!赤雪さんのちむめんもそれぞれ個性があってすごくいい、そして団結してるカンジがうらやましいーw
赤雪さんのカリスマ性が感じられた回だった!
次回も楽しみにしてますーb

2014年06月19日 03:24

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ウォーリック

Re: タイトルなし

>マァナさん
出演キャラ側が楽しんで頂けて何よりです。
皆さんが持ってる特徴やキャラ性をどう活かせるかまだまだ模索しつつ頑張りますね!

2014年06月19日 14:25

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レヴィティア

赤雪さんのブログから飛んで来ました!SS読ませて頂きました。
まず身内贔屓の感想で申し訳ないのですが、ダグラスさんの登場シーンがカッコイイなとw

次に八代さん・マァナさんサイドの複雑さが気になります。
この二人を同じサイドとして見ても良いのか分かりませんが……。
互いに「取り戻したいもの」の為の行動でマァナさんは物語中に書かれてますが、
八代さんは果たして……先が気になります。次も楽しみにしてます!

後、今更ながらあの場に居ただけなのに名前を出して頂いて嬉しいやら申し訳ないやらの気持ちで一杯です……。

2014年06月20日 00:39

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ウォーリック

Re: タイトルなし

>レヴィティアさん
いえいえ、赤雪さんを描くにあたってダグラスさん書きたいなぁと思ってたのは僕自身だったり。
漢、と言うイメージがハマり、ヒロインのピンチに駆けつけるにはあれくらいやって周囲が納得出来る方じゃないとなとダグラスさんにご登場頂いた次第。
身内が照れずにカッコいいと思って頂けたなら、難関一個クリアです!
マァナさん達も気になったと言うのも嬉しい。頂いた設定がこれから効いて来るはず!
折角いらっしゃったのに状況が状況なので、出番が少なかったのは逆に申し訳なくもあり。
ルーサーのタイミングもですね。

また気にして読んで頂けたら何よりです!

2014年06月20日 01:07

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