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灼熱の日差しが肌を突き刺す……
照りつけるリリーパの厳しい天候は、夜との寒暖差を鑑みても機甲種や原生するリリーパ族、そしてアークス達でなければ一日として耐えきれず音を上げる事だろう。

「やっぱり、リリーパは埃っぽくてイヤだなぁ。」
口を尖らせなから頬を膨らませたシェスファが従兄であるウォーリックを見上げる。
「兄様、今回のミッションは長くなりそう?」
少しだけ目線をシェスファに送り、先を見据え直しながらウォーリックは淡々と返答した。
「それは僕ら次第だな。Try-Gearから離脱して初のミッションだ。皆の力を計算に入れられない。リヒティも今回は同行しない。単純に僕ら二人だけを戦力として考えれば……」
「もう!兄様はすぐそうして理屈ばっかりっ!」
シェスの我がままもいつも通りか……とため息混じりの苦笑でウォーリックは手元のセンサーに目をやる。
周囲には生体反応が一切ない。

救援信号が送られ、そこにアークスが来る。
そこまではよくある任務だ。
この場にリリーパ族がいれば間違いなくそうだろう。

考えられる要素は既に遅かったという可能性。
信号だけ送って逃げおおせたとも考えられる。
小柄で愛嬌のあるリリーパ族は意外とタフな面もあり、上手くやれば危険を回避する事も出来るだろうからだ。


2014-06-07-025746.jpg

だが、彼の脳裏にはそれ以外の可能性が過っていた。
罠……先日のルーサーの動乱。
その影響で虚空機関の残存勢力の私怨が各アークスに向いていないとは言えない。
特殊兵装の所持許可を持つ彼や所属していたチームメンバー、同盟チームのアークス……誰が標的になってもおかしくはない。
その他の可能性ならばDF【若人】……リリーパというだけで考え過ぎか、と首を振り額に右手の人差し指を添え、思考を深く潜らせる。
こうなると、横にいるシェスファがどれだけ愚痴を漏らそうが耳に入らない。必要な情報、肌に刺さる感覚、知覚要素と思考の融合で今までの戦いを生き抜いてきた。それが彼のアークスとしての特性の一つだ。
第三世代だが近接戦に特化したフォトン傾向を持ち、その他のアークスに比べればフォトンの柔軟性に欠ける彼が、コンゴウなどの紋章武器をはじめとする特殊兵装持ちに選抜される理由もそこにある。
「!?」
声を出す前には身体が動いていた。
退屈さにその辺りの小石で遊んでいたシェスファを庇う様に抱きかかえ、石の壁面へ身を隠す。
衝撃と爆風が二人を包む……コンマ1秒ズレていたらシェスファは無傷では済まなかっただろう。
「機甲種か……」
「タイプ……シグノガン多数!」
シェスが悲鳴じみた声を上げる。
高速で連射と回避を同時に行うシグノガンがPSEバーストを起こしてもいない状況で群居してきている……しかも戦力は二人だけだ。
「これだけの数にオペレーターのコールもない、か……」
「兄様!通信が!」
「念入りにジャミングもか……DFの線は無さそうだ。」
ウォーリックが機甲種用にカスタマイズしたディヴァニスを構える。
「シェス、僕が引きつける。後は……分かるな。」
「一体ずつ、確実に!」
「上出来だ。」
無数のシグノガンのうち一体にめがけシンフォニックドライブを放つ。
一撃の蹴りで体勢を崩させ、彼めがけ一斉放火される銃撃をスピンで逸らす。
スピンから更にブラッディサラバンドの衝撃が、背を向けた3体のシグノガンをスクラップに変える。
影からロールで飛び出したシェスファが踵で銃口を潰し、続けざま銃撃で一体を破壊した。
二つの影が翻り、宙を舞う。
スタイルこそ違えど、二人は地を這う砲撃手をあざ笑うかの様に空を支配した。
兄妹のように育った二人だからこそのコンビネーション。
続けざま、ウォーリックが残像を残したまま数体を巻き込み、シグノガンの速度を上回る斬撃の軌跡を空に描く。
照準を捉えきれない相手にゆっくりと舞い、時を支配した少女が回転しながら赤い銃弾の祝福を与える。
無数に思えた砲撃手が次々にただの鉄になり行く様は、歴戦のアークスがどのようなものか刺客の主に言葉無きメッセージとして届いただろう。
「兄様!やったぁ!」
嬉々としたシェスファの声が響いたのは、残骸の山々が築かれた後だった。
「シェス、喜ぶのはまだ早い。ジャミングはまだ続いてる……何が目的かも分からないがこの状況を伝える術も無いからな」
そう言いながらもシェスファの頭に掌をやり、ゆっくり撫でた。
「怪我は無いか……よくやったな。」
ニンマリ笑うシェスファはご満悦といった様子で、先ほどまでの不満を漏らしていた姿は嘘の様に見えた。
『皆に何も無ければ良いが……』
そのシェスファの様子を横目に遥か空を見上げ、仲間の無事を祈ると共に襲う胸騒ぎが苦い思いを彼に与えていた。
彼の胸を刺す影は、着実に足を進めている。
今は届かぬ宇宙の向こうで。
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何事が始まったかと、なんてお話

シノビ・ザ・ニンジャ!

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赤雪

ついに連載スタート!?
こっちも設定を纏めた痛い記事上げました!
痛い部分を突き抜けてこそ楽しめる!!それを実感する今日この頃です……

2014年06月07日 21:36

comment avater

ウォーリック

Re: タイトルなし

不定期連載ですが、SSを挿絵にしつつやろうかなぁと。
面白いと思って貰えれば良いのだけど、それこそ痛い人に見えそうな気配も。
戦闘シーンはいかにPAとか見える様にするかで試して行ってみようかと。あとはテクだなぁ、課題は。
楽しみにしてもらえたら幸いです。

2014年06月07日 22:38

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